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2004.11.03

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メルボルン世界自転車競技選手権へ行ってきました! 太刀川麻也

 成田からシドニー経由でオーストラリア・メルボルンへ。私は5月26~30日にかけて開催された世界自転車競技選手権に初参戦した。このレースは8月のアテネオリンピックへの最終選考のレースで、世界各国がメダルを狙いに来ていた。そのため例年よりもタイムがよく、活気があった。5月下旬といえど気候は冬型で、朝夕はウィンドブレーカーが必要な程冷え込んだ。自転車競技場(以下バンク)は携帯でお馴染みのvodafone arena で行われた。

私の参加種目は女子ケイリン競技。日本発祥の種目「ケイリン」は2000年のシドニーオリンピック大会より正式種目となり、「ケイリン」と表記され、海外でも「Keirin」と呼び名は変わらない。
日本では競輪=公営ギャンブルで、予想しやすいように地域に分かれてラインがあったり、先行・追い込み・捲くり選手の区別がある。しかし、ここ世界選のケイリンでは誰がどこから仕掛けるか予想ができないこと、競技場1周の周長が短く直線が短いため、追い抜きづらく、しかし迫力がある試合を見ることができる。

私はケイリンを海外でアジア選手権やワールドカップで何度か走ったことがあったが、周長の短い250mバンクでの走りは初めてのため、国内に唯一250mバンクのある修善寺サイクルスポーツセンターでSuper-Kのメンバーと練習をし、臆せず走れるようにメルボルンに乗りこんだ。
1レース6人で出走し、上位2名が決勝へ進む。スタートの並びは抽選で決まる。女子は男子のように力強さがないため、皆が前方をねらい最初の場所取りが肝心になる。スタート直後は、オートバイが先導をする。周回をかさね、残り2周半で前方のオートバイが退き、レースの駆け引きが始まる。
(先導にバイクが走る理由は、自転車の場合、路面の抵抗より風圧抵抗の方が大きい。そのため先頭の選手が不利にならないように先頭にバイクが走り、条件を同じにする。周回を重ねるごとに25k/h~50k/h(女子は45k/h)までスピードを上げる)結局、私は予選が上がれず、しかし順位決定戦では少し意地を見せ、最終結果11位だった。

海外のケイリンは自分から動かない限りチャンスを得ることができない。そのためにはレース途中で、一度思い切りダッシュをする。ケイリンは一度に走る人数が多いため、コース取りのテクニックが必要になる。そのため、強い人が必ず勝つとも限らない。だからチャンスを作って走る難しさが面白いのだ。
自分の参戦レースが2日目で終了してしまったため、最終日のレースまで見ることができなかったが、会場の雰囲気と選手の活気に刺激され感動し、来年の世界選にはもちろん出場し、自分の思った走りができるように日々練習しようと心に決めたレースであった。

おまけ
☆海外と日本のトラック競技状況の違い☆

 海外では通常、競技は昼間には行われず午前の部と夜の部とに分かれおり、午前中は予選が中心で、決勝種目は夜行われる。これは観客入りの関係、つまり会社帰りでも興味ある人が見に来れるように考慮されたことであろう。日本のプロ野球や、Jリーグサッカーの考え方と同じだ。
 今回のメルボルンでは、夜の部が始まる前にバンクにアナウンサーが出てきて、まず観客を盛り上げる。そして、盛り上がったところでレースがスタートする。選手の家族、関係者はもちろんのこと、競技を知らない大人から子供まで楽しめる会場の雰囲気があった。
日本の自転車競技の場合
 競技場にいる応援者は、ほとんどが参加選手の関係者である。今年、三重県四日市で行われたアジア選手権大会は、客も少なく、近隣の住民もアジアの選手が来てレースをしていること自体、知らない人が多かったのではないだろうか。
果たしてこの状況でこれから日本の自転車競技が盛り上がっていくのであろうか?
選手として大声援の中で競技してみたいと思うのは私だけだろうか…。
選手であるかたわら、自転車競技の発展に貢献していきたいと思う。