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2004.11.15

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ストレスマネジメントフォーラム2004にいってきました! 渡辺和久

2004年9月23日にオリンピック記念青少年総合センターにて行われた国際ストレスマネジメント協会日本支部主催の「ストレスマネジメントフォーラム2004」に行って来ました。このフォーラムは1991年から始まり、今回で14回目の開催です。
ストレスに関する基調講演と対処法に関する9種類のワークショップを選択受講することが出来て、とても有意義な内容でした。ストレスというと最近は「俺には関係ないもんね」という人よりも、「あるある!私ストレス溜まりまくり!!」なんて人のほうが圧倒的に多いような気がします。皆さんの周りにもいらっしゃいませんか?
実際にお話の中でもあったのですが、高等学校保健体育の教科書にも2002年度からストレスがチャプターとして盛り込まれているのだそうです。現代社会を生き抜いていく上で、「ストレス対策」は重要な問題としてクローズアップされてきたんですね。

ということで今回は、ワークショップの前に行われた田中純先生による「基調講演」の内容をレポートします。

 

「ストレスマネジメントの基本と対処 7つの原則」
そもそも「ストレス」と一口に言っても以下の3つの定義があるそうです。

1、ストレス・・・・・・何らかの原因によって心や身体が影響を受けた状態。
2、ストレッサー・・・負荷の原因となる事象。
3、ストレス反応・・・ストレッサーに対する精神・身体的反応。

簡単に言うと、「どうしよう」という想いこそがストレス。そして、この想いを何個かかえるかによって、その人のストレス度合いも違ってくるのですが、

1、ストレッサーそのものに気付く
2、自分の身体の変化に気付く

といった2種類の「気付き」があり、ストレスに対する「対処資本」がしっかりしている人は、ストレッサーがあってもけっこうしっかりとやっていけるのだそうです。
ストレッサーを減らすということも大切ですが、ストレスに対する「対処資本」を増やすという考え方もあるんですね。
じゃあ、どうしたらストレッサーに対処できるの?と誰もが思うでしょう。そこで先生から伝授された、対処資本を増やす7つの方法をお教えします。

 

1、ゴ・・・合理的に考える
・人生に起きる多種多様な事柄を事実に即して考える。物事をクロ・シロだけに分けるのではなく、もっと多面的・弾力的に考えれば気は楽になる。
例)「自分の事を嫌いな人は必ずいるもの」と最初から割り切って考える。

2、ジ・・・自分力を高める
・自分の状態に気付く。自尊心を高める。
頑張りすぎもパフォーマンスを下げる原因になり、最終的には燃え尽きてしまう。
余裕があるときだけ頑張ればいいし、おかしいと思ったら質の良い休息をとればいい。

3、ラ・・・ライフスタイルを改善する
・適切な「運動」、「食事」、「睡眠」はストレスマネジメントだけでなく健康の基本。

4、は・・・発散・表現する
・自分の気持ちを表現する。攻撃性の適切処理。創造的思考を行う。
※この方法は一般的にストレス解消手法とされているが、本来は数ある方法の一つに過ぎない。

5、リ・・・リラクセーション
・数あるテクニックとしてのリラクセーション法を実施する。リラクセーション法は色々ある。

6、ス・・・スキルを磨く
・コミュニケーション能力や対人関係能力を磨き、人の力も利用し少しでも楽に事を運べるようにする。
・問題解決能力や意思決定能力などの実質的なスキルを磨き、物事を早く確実に行えるようにする。

7、さ・・・サポートを活用する
・人、物、金...、ストレッサーに対抗する「実質的なサポート」を活用する
・心の支えとなるような「精神的なサポート」を活用する
・自分で「自分のサポート」をする。

 

いかがですか?頭文字を並べると、ちょうどうまい語呂合わせで「ゴジラはリスさ」となりますね。
ストレスに対する思い込みを、「もう少し気楽に考えて!」という、アドバイスにもなっているのです。
ゴジラのように大きく恐ろしいものに見えても、実はリスのように小さく可愛いものだった、と。

また、いつも私たちが「ストレス解消法」と呼んでいる「発散」も、実は数あるストレス対処法の一つに過ぎないということも興味深いですね。カラオケに行くだけがストレス解消法ではないのだ!

 

「サポート活用」の部分でも先生が興味深いことをおっしゃっていました。
「モモ太郎には犬、キジ、猿。水戸黄門には助さん、格さん。三蔵法師には孫悟空、猪八戒、沙悟浄...。
みんな自分の夢を助けてくれるサポーターをつけてるじゃないですか」と。

そうですよね。確かに言われてみると、実在する人物でも大きな夢や仕事を達成した人は、みんな自分の周りに自分を助け支えてくれる優秀なサポーターをつけてますよね。
ストレッサーに対処する方法にはこんな考え方もあるんですね。
う~ん。少しは気が楽になってきたぞ。

 

「かつて我々の祖先が直立二足歩行することによって、環境変化というストレスに対処したように、我々も力を合わせて、様々なストレスに対処していかねばならない。」
先生が最後におっしゃった言葉です。

生きていくこと自体がストレスとなってしまった今の世の中。「ゴジラはリスさ」の対処法はとても勉強になりました。

心と身体は表裏一体。ともすれば身体のトレーニングに偏りがちな我々ですが、心のトレーニングやマネジメントも今以上に必要なんですね。

 

スーパーKアスリートラボの考え方も同じです。
水戸黄門に助さん格さんがいたように、アスリートの皆さんには我々スーパーKアスリートラボの優秀なサポーターがついています。
「競技を続ける」という「旅」は大変なストレスの連続。だからこそ、共に助け合い、共に学び、共に楽しんでいけるような「旅」にしたいものですね。

 

次回のレポートもご期待ください!