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ハンガーノックにならない飲み方と食べ方【BICYCLE CLUB 2012年7月号】

         

2時間以上走るときは よく飲んで、よく食べる!

 

一生懸命走る人はハンガーノックに注意

ある程度自転車に乗っている人なら「ハンガーノック」という言葉を聞いたことがあるかもしれない。エネルギーを使い過ぎてしまい、いままで元気に走れていたのが急に走れなくなってしまう現象だ。

とくにトレーニングをはじめたばかりで、“がんばっちゃう人”がなりやすい現象なので、要注意だ。ペースが上がるとその分エネルギーの消費が急激に増えるからだ。

「昔、高校生時代はハンガーノックになりました。2時間くらい走るときには食べ物を摂ることはありませんが、2時間以上走るときには途中で食べ物を摂るようにしています。普段のトレーニングなら、コンビニで補給します。ただ、アブラっこいモノを避けるのと、コーラを一気飲みしないくらいです。もし途中で補給ができない場合は、メイタン・サイクルチャージを1時間に1本を目安にとります。自分はあまり水を飲まないほうですが、夏なら1.5ℓは飲むようにしています。」

 

通称“ハンガーノック”とは、エネルギー不足で低血糖状態になること

よく噛んで消化吸収を早く!

「筋力がある人のほうがスタミナがあるイメージがありますが、じつはハンガーノックはがっちりした体型をした人のほうがなりやすいのです。とくに速くは走れるけど、ゆっくり長く乗る習慣がなければなおさらです。また、自転車に乗りなれていないと、変速が下手だったり、ペダリングの効率が悪くムダな筋肉を使ってしまい、エネルギーを浪費しやすくなります」と北見氏。

ケンタのように普段、早朝に短時間のトレーニングをしている人の場合、長時間トレーニングにでかけるなら補給を普段よりも意識しないといけないのかもしれない。

「さらに乗り慣れている人は、身体が発汗をコントロールすることも上手ですが、汗をかき慣れていないと、熱中症になりやすいので、ハンガーノックを疑う前に、脱水も意識しましょう。できれば長いトレーニングで徐々に慣らしていくほうが理想的です。また、人間の身体の6割は水ですが、血中の水分が少なくなると代謝も悪くなり、血液中のヘモグロビンが酸素を運ぶ能力も低下してしまいます。なので、ツールで選手は6ℓも水分を摂っています。

食べ物も水も、できるだけ胃に溜まる時間を短くし、腸へ早く流れるようにすると吸収がよくなります。そこでよく使われるのがハイポトニックやアイソトニックと呼ばれる薄めのスポーツドリンクです。ただし、薄いドリンクの場合、エネルギー補給には不向きになってしまうのでボトルを2本用意しておき、1本は水、1本はスポーツドリンクにしておけば、飲み分けることで調整できます。

もしハンガーノックになってしまった場合にはゼリーのように吸収の早いものをよく噛んで食べます。柔らかいゼリーをなぜ噛むの?と思うかもしれませんが、噛むことで唾液と混ざり消化がよくなります。そして30分は休憩をとりましょう」