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運動療法におけるDPBP測定の有用性(第54回 日本体力医学会大会 1999年9月29日号)

原田 直美、 北見 裕史、 明石 嘉浩、 長田 尚彦

(心臓血管研究所)

《目的》心筋酸素消費量を反映する二重積の漸増負荷中の変曲点(DPBP)が運動療法の強度設定に利用可能であると報告してきたが、今回は、 DPBP が運動療法の効果判定に可能であるかを検討した。《対象》心疾患患者38例(男性 32 例平均58.3歳)《方法》ある期間をあけて二度DPBPを測定し、同時に行った呼気ガス分析より求めた AT と比較した。また2度の決定値の変化量についても検討した。なお DPBP は自転車エルゴメーターによる   ramp 負荷試験を行い、自動血圧計を用いて20秒毎に血圧を測定し、二重積の変曲点を二本の一時回帰直線の交点を求めた。《結果》二回の測定結果はAT45.4±10.9から49.2±10.4Watt、DPBP44.3±10.2から47.5±11.9Wattと有意に増加した。 AT と DPBP の出現時間の関係はそれぞれ r=0.89 r=0.88 と良好な相関を認めた。二回の DPBP 及び AT の変化量は AT3.7±9.6、 DPBP3.3±7・6Watt、両者はr=0.76の良好な相関を認めた。《考察》 DPBP と AT は良好な相関を示し運動療法の強度設定に利用可能であると思われた。また、二度の測定で AT と DP は相関を持って増加したことから、運動療法における効果判定にも利用できることが示唆された。