【雑誌掲載情報】Update Information
距離160km、ホノルル・センチュリーライドに挑戦する 【Tarzan435号】
好成績~プロ合格への基本、ピリオダイゼーション実践編
距離160Km、ホノルル・センチュリーライドに挑戦する。
30代で毎月400Kmほどバイクに乗る人が、ホノルル・センチュリーライドを好記録で走るためのトレーニングを紹介する。このトレーニングを考えてくれたストレングスコンディショニングコーチの北見裕史さんはこう語る。
「160Kmを走るには、距離に対する恐怖心を無くすことが大切。リズミカルな一定の動きでペダルを漕ぎ続ける能力を上げたいですね。」
そのため、このトレーニングでは最初の運動強度を一定に保つように作られている。強度を変えずに時間を延ばしていくことで、長い距離に対して徐々に慣れていけるのである。
「もうひとつ大切なのがアップダウンや雨、風に負けないカラダを作っておくこと。転倒してもケガをしにくいカラダが必要なんです。」
このカラダを作り上げてくれるのがインターバルトレーニング。5分のダッシュを繰り返し行うことで、強靭な体幹や足腰を手に入れることが出来るのだ。もちろん、このトレーニングを忠実に守って行うのがベストだが、体調の良し悪しによってスケジュール通りにいかない場合もある。そんなときは運動の強度は上げずに時間で調節する。体調が悪ければ時間を短くし、よければ逆に長めに走ってやろう。
ホノルル・センチュリーライドで好成績を残すためのピリオダイゼーション
最初の2週間
月曜日・木曜日 ローラーを使って40分の回転練習。60回転/分を維持する。実走であれば、河川敷などの平坦路を探してギアシフトをまめに行い60回転/分になるように保つ。どちらも心拍数は130拍/分を維持する。
火曜日・金曜日 ローラーまたは実走で30分60回転/分、130拍/分で走ったあとに60秒間150回転ダッシュを5本。実走ダッシュは通常よりギアを2枚軽くする。インターバルは60秒。
日曜日 休日は60回転/分、130拍/分で50~70kmを目標にどのくらい持続できるかを試す。最初はスピードよりも乗り続けることが大事。
3~4週間目
月曜日・木曜日 一定負荷トレに慣れてきたら、回転、強度はそのままにして、持続時間を延ばしていく。音楽を聴きながら、テレビを見ながらでもOK。もう一曲終わるまでとか、この番組が終わるまでとかして、すこしずつ時間を延ばす。
火曜日・金曜日 インターバルトレは、一定負荷(60回転/分)を40分行なった後に、ダッシュ(60秒間150回転)時間を2分にして6本実施。もしキツすぎたらインターバルを延ばしてやってみる。それでもキツかったら強度を落とす。
日曜日 ロードトレは、距離に慣れること。スピードは気にせずに80km、100kmを確実に走って自信を付けていく。
5~6週間目
月曜日・木曜日 一定負荷トレはさらに時間を延ばす。90分漕いでも余裕があったら、回転数を70回転/分にしてみよう。
火曜日・金曜日 インターバルトレは、ダッシュの時間を3分に。このメニューがこなせるとインターバルトレーニングはほとんど完成。5分でも10分でもできるようになる。
日曜日 ロードトレは100~120kmにして、100kmを超えてからのコンディションを確認する。マラソンの35km過ぎてからと同じように、自転車も100kmを過ぎるとカラダに異変が起きやすくなる。今のうちに筋肉、関節の状態などを知っておく。
7~10週間目
月曜日・木曜日 一定負荷トレはこのメニューの最長時間120分に挑戦!テンポよくリズミカルに回転させることを覚える。余裕があれば90回転のテンポもマスターしたい。
火曜日・金曜日 インターバルトレは、60分一定負荷で漕いだ後に5分ダッシュ10本。キツければ5本やったあと休憩10分。その後5本でもいい。センチュリーライドの途中でアップダウンがあっても天候が崩れても対応できるタフさを作りたい。
日曜日 ロードトレは120kmがいつでも走れるカラダを作っておく。センチュリーライドに不安な人はこの段階で160kmに挑戦しても良いだろう。
11週間目(一週間前)
月曜日・木曜日 一定負荷トレは60分として、テンポだけの確認をする。余裕があってもこれ以上はやらない。
火曜日・金曜日 インターバルトレは、2分ダッシュを3本、インターバルも長めに3分とる。ダッシュする感覚だけ忘れないようにしておく。
日曜日 ロードトレは、疲労を蓄積しないように70kmで余裕を残して終了する。疲労回復を重視してトレーニングする。
12週間目(1週間切ったら)
さらにトレーニングの量を半分にしてコンディションを整えることを心掛ける。余った体力は本番で出し切れるようにとっておこう。筋トレをするなら背筋、中殿筋、ハムストリングスなどを鍛えておこう。