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<読むトレーニングジム>ウエイトトレーニングを取り入れて筋力と筋持久力の体力要素を向上させる【サイクルスポーツ2002年6月号】

  

ウエイトトレーニングを取り入れて筋力と筋持久力の体力要素を向上させる

前回は体力の要素について考えたが、今回はその要素のなかの筋力、筋持久力のトレーニングについて検討してみよう。

ウエイトトレーングで代表的な種目として、写真①のベンチプレス(胸)、写真②のラットプルダウン(背中)、写真③のスクワット(もも)がある。どれも大筋群のトレーニング種目であるが、トレーングの手順は、まず、体幹の大きな筋肉から小さな筋肉へ鍛えていくという考えがある。大きな筋肉は高重量の負荷がかかり、補助のために他の小さな筋群も動員している。

例えば、胸の筋肉のトレーニングであるベンチプレスの前に、アームカールなどの腕のトレーニングをしてしまうと、腕の限界でオールアウトしてしまい胸にきかないことがあるからだ。

まず、最初にトレーニングで注意する点は、習慣づけること。1,2回のトレーニングでは効果は出ない。少なくとも半年から1年は続けられるようにできることから始めていこう。

トレーニングをするときの条件は、まず種目、強度、時間、頻度を決める。次に実践した結果からプログラム調整をする。そしてまた、実践の繰り返しだ。単調に思えるトレーニングを繰り返し実践することに意義がある。

まったくのウエイトトレーニング初心者であれば、前出の3種目のトレーニングを無理なくできる重さで“10回挙上”を2セット行い、週3回実施してみる。

4〜6週間継続したところで、習慣づき効果を感じてきたとしよう。目的が筋力アップなら次は5%重くして10回×2セット×週3回に変更する。筋持久力アップなら重さを変えずに挙上回数を5回増やして15回×2セット×週3回とする。仕事や日常との兼ね合いで疲労が蓄積しているようであれば、重さ・回数・セット数をそのままにして頻度を週1回に減らす。筋力アップであれば重さを重視し、筋持久力アップであれば回数を重視、持久力アップであればインターバルを短くする。

どのトレーニングでも効果を高めるには動作の正確性を重視する。それでも余裕があるならば、トレーニング種目を2〜3種追加する。種目の追加は、体の表裏をバランスよくするために、シットアップ(腹)、バックエクステンション(腰)の導入。次にレッグエクステンション(もも表)、レッグカール(もも裏)。上半身の追加ならショルダープレス(肩)という手順で増やしていこう。

強度と回数の目安は、1回だけ持ち上がる重さを100%としたとき、70%の重さで10〜12回挙上するトレーニングでは、筋力がアップしていく。35%の重さで30〜50回挙上するトレーニングでは、筋持久力がアップする。

頻度は毎日ウエイトトレーニングするのを100とすると週1回で70、週3〜4では120の効果がある。トレーニングの疲労が栄養と休息をとって回復したときに筋力はアップするという“超回復”の原理があるからだ。

ロードトレーニングでも同じように、筋力アップなら上り坂でいつもより3枚重いギヤで上ってみる。ハンドルを引く力を利用してペダルを踏み込む。筋持久力なら平坦路でふだんより3枚軽いギヤで、ペダルを踏む力と引き上げる力のバランスが良くなるようにくるくる回す。ウエイトトレーニング時は自転車のライディングをイメージして、自転車の時はウエイトトレーニングをイメージして、どの筋肉を効率よく使うかを考えながらトレーニングしよう。

日常労作より強度の高いことをすれば体力は維持または向上し、低い強度では効果がなく退化しぜい弱になる。高すぎる強度のトレーニングでは、障害を伴うか疲弊し破たんするという“過負荷”の原則がある。当たり前のことだが、その理論から外れることもできない。焦らずじっくりトレーニングすればキツイ強度でなくても効果は必ず出てくる。

考えたトレーニングは、次へのトレーニングにつながる。さあ、挑戦してみよう。