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北見裕史ロジックで春までにバイク向けにフィットする体力作り!【サイクルスポーツ掲載 2002年2月号】

この冬じっくりトレーニングして強くなろう

 「最大心拍数の65~75%の低めの強度で、時速25~30kmでゆっくり1時間以上、できれば3~4時間走るLSDトレーニングで、体に酸素を取り込む機能を高める。と同時に、筋力強化と効率よくパワーを伝えるスキルトレーニングが必要」という。
 「自転車選手は筋トレにアレルギーがあるけど、余裕ができて筋肉の動きを妨げる乳酸を発生しにくくできるし、障害を防げる」という。
 「その強化した筋力で発生できるようになったパワーを、バイクが前進する力として、効率よく伝えるペダリングスキル(技術)のトレーニングも平行して行う」のだそうだ。
 心肺機能・パワー・スキルを追及する北見ロジックで、この冬じっくりトレーニングすれば、自転車必要なベース(基礎体力)を春までに確実に作っておくことができるというわけだ。
 寒い冬、快適な室内で固定ローラー台とマイバイクを使う、効果的なベーシックトレーニング・ロジックとノウハウを紹介しよう。

20~30%の力を長く発揮できる力をつける

 「持っている力を一気に爆発させると一瞬は速いが、それをレース中に長く続けることはできない。数時間オフロードを走り続ける、MTBのエンデューロにしても、1時間30分から2時間のヒルクライムレースにしても、主なエネルギーシステムは有酸素運動と無酸素運動のミックスになる」という。
 「レース中、実際に継続できる力は、最大パワーの20~30%の力を発揮しながら、それを効率よくバイクへ伝えることで、自分なりの最大速度での大満足の完走や、上位入賞など、目的の達成が見えてくる」と、北見トレーナーは解析する。
 「バイクで速く走れる基礎体力を作るベーシックトレーニングとして、LSDトレーニングはもちろんすべき。そのうえで、パワーアップのためにペダリングに実際に使う筋肉を大きくして、さらに筋肉の動きを妨げる乳酸に耐えて動かせる筋肉の質を改善する効果のあるトレーニング、さらに発生した乳酸を筋肉の中から除去分解しながら走り続ける能力を高めるトレーニングに取り組むことに集約される」という。
 今回北見トレーナーは、マイバイクを使って強くなる、固定ローラー台トレーニングを4つ紹介してくれた。このトレーニングは基礎体力の強化だけでなく、パワーを効率よくバイクへ伝えるスキルの向上にも効果があるという。
 「走行中に脚の筋肉を使い分けて疲労を分散して、結果的に効率アップして速く走れるようになる」わけだ。

自分の体重を重りに使った筋力トレーニング

 北見トレーナーは「筋トレっていうとバイクライダーはアレルギーがあるようだけど、パワーアップするには筋力強化が必要。それには、過負荷の法則というのがあって、現在ある筋力の限界を超える負荷をかけないと、体が順応して発達しない。だから、ロードもMTBライダーも、走っているだけでは負荷が小さくて筋肉が発達しにくいので、トップ選手はオフトレーニングだけでなく、シーズン中も真剣に筋トレに取り組んでいるライダーもいる」という。「筋トレは大がかりな機材が頭に浮かぶけど、エンデューランス系の筋トレは、自分の体重を利用したトレーニングで十分。1セット30回で筋肉の動きが重くなり、30回目で動けなくなる負荷で、エンデューロに向いている筋肉を作ることができる」というので、気軽に筋トレできる。
 北見トレーナーは「ペダリングで重要な、大殿筋肉(尻)・大腿四頭筋(太もも)・腹筋・背筋など、体のほぼ中心にあって発達している、いわゆる体幹の4大筋肉を発達させることが重要」という。