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<読むトレーニングジム>ウエイトトレーニングをこなしてオフシーズンに基礎体力をつけよう【サイクルスポーツ2003年1月号】

自転車競技トレーニングはとても厄介である。急な上りやスタート時には最大筋力に近い負荷を必要とし、スピードを保つためには筋持久力を必要とする。さらにアタックやゴール前のスプリントでは、追い越し加速(パワー)が必要になる。

この体力要素3種のトレーニングは相反するものである。最大筋力を高めるとスピードが低下し、筋持久力を高めるとパワーが低下し、パワーを付けると最大筋力が低下してしまう。3種を同時に鍛えようとしても成果はなかなか現れない。これが自転車競技トレーニングの厄介な原因だ。

自転車に乗るのが最も効率の良いトレーニングに見えるが、乗車してのトレーニングでは強度に差をつけることが難しく、慣性力が働くために強度を規定しにくい。テクニックは伸びていくが、筋力はなかなか伸びない。

そこで、タイムが落ちても、スピードが落ちても、気にせず思いっきりトレーニングできるオフシーズンのうちに筋力アップをねらったトレーニングをしておこう。

まず、現在の自分の最大筋力を知ろう。測定種目は大筋群を選ぶ。胸、背中、脚、腰などカラダの幹になる部分を測定し、鍛える。上半身では、ベンチプレス、ラットプルダウン、ロウイングなど。下半身では、スクワット、レッグエクステンション、レッグカールなどのトレーニングを行おう。

最初に10~15回、楽に持ち上がる重さでウォームアップをする。そして、しっかりストレッチをしてから1回だけ上がりそうな重さを選んで挑戦する。さらに上がりそうであれば、もう一度重くして挑戦しよう。その繰り返しで3~4回目に最大の重さを見つけるようにする。あまり何度も繰り返すと最大筋力にくる前に疲れてしまう。

無理やり上げてフォームが崩れるようであれば、その手前の重さでできるだけ反復して、下の最大筋力換算表で測定する。換算表を使うときの注意点は10回超上げられる場合は、最大値が計測されない可能性があるので、日時を変えて最大に近い重さで測定することである。(*1)

まずは、筋肥大をねらってトレーニングをしよう。最大筋力の70%の重さで(*2)8レップ、8セット実施する。その際のセット間のインターバルは60秒~90秒とする。最初は種目をベンチプレス、スクワット、ラットプルダウンの3種目とし、余裕が出てきたらロウイング、レッグカール、レッグエクステンションを増やそう。

ここでのポイントは回復時間を無くし、筋にストレスを与えていくことだ。90秒休んでも次ができないようであれば、強度を落としてできるところから始めよう。週4回の頻度で4~6週続けてみよう。

その次に、最大筋力を伸ばすトレーニングをしよう。筋肥大のときと同じ種目、同じレップでセット数を半分の4セットにする。

ここでは、セット間のインターバルを3~5分と長くとって回復時間を作る。1セットごとに重さに集中できるようにする。うまく集中できれば前より重量を上げることができる。

余裕ができたら重くして最大筋力を伸ばしていこう。頻度は週4回で4~6週間。もし、フォームが崩れそうであれば無理しないように正確に実施しよう!

2ヶ月たったらもう一度、最大筋力テストを最初と同じように測ろう。20%伸びていたら大成功だ!

そして、作り上げた筋肉を短距離選手なら50~70%の強度で速い動きを取り入れ、パワーアップをねらい、長距離選手なら強度を半分にして持続時間を延ばして筋持久力をどんどん伸ばす。

その頃にはシーズンも始まり、自転車トレーニングと並行して実践的なトレーニングに生かしていく。昨年より上を確実にねらおう!